臼田中学校PTA 学校支援ボランティアの活動

平成25,26年度 長野県PTA連合会 研究委嘱



平成26年度単位PTA役員研修会におけるプレゼンテーション

     
     
     
     



平成25,26年度 第23次研究委嘱PTA 報告集録(長野県PTA連合会)より

学校支援ボランティアの立ち上げ

佐久市立臼田中学校PTA

 1 研究テーマ

  ボランティアを通して子どもと大人、地域と学校との親交を深める機会を増やし、地域と学校の協力の場をつくり、地域全体の教育力向上を目指す。 

2 研究テーマの趣旨

  核家族化が進み地域の連帯感が薄れていく時代の中にあって、子供たちが「心技体」のバランスをとりながら健全に育つ為には、地域の力を再結集して地域全体の教育力を高めていく必要があると考えられます。そこでその一助となるべく学校を支援するボランティアを立ち上げる事としました。 

3 研究内容

(1)一年目の活動

  一年目の活動は、これから目指すボランティアの位置付けや、活動内容、募集の方法等を具体的にどうするかなどの検討に明け暮れ、実際のボランティア活動は、散発的に2回行うに留まりました。 実際の活動に入る前、先ず考えたのは、新たな事業を始めようとすると、とかく学校にばかり負担がいきがちですが、学校、保護者、地域、の三者が協力して参加出来るようなボランティアを作る事ができれば、お互いのニーズにも応じやすく、保護者や地域の親睦も深められることが期待でき、継続性も保たれるのではないかと考えました。
 なぜ「学校と保護者が協力して」なのかというと、何か地域の力を借りたいといった場合、学校の多くの先生方は転勤があり、地元の事がよくわからない、何処にどんな逸材がいるかといった事もほとんど分からない。一方保護者の方は地元の事はよく知っている、人脈もある、しかし教育現場の事は殆ど知らない。先生方が慢性的に多忙だという事は漠然と知ってはいても、具体的に助ける業務内容は全く分からない。 そこで「学校と保護者が協力して」足りない部分を補える体制を作る事が出来れば、ボランティアの直接的な活動以上に、子供たちの健全育成にも役立つのではないかと考えました。ボランティア組織ですが、 一般的には、市町村職員がコーディネーターとなり、デスクと電話を常設してボランティア組織を立ち上げ運営する、というスタイルになりますが、臼田中学校の場合PTA活動の一環として考えましたので、幾分変則的ですが、事務局を学校に置き、PTA会長をコーディネーターにする事としました。従って、学校事務局とPTA会長を合わせてコーディネーターの役割を果たす事になります。
 一年目の実際の活動としては、一泊二日の登山学習の折、付き添いボランティアとして看護師の方に一緒に登って頂いた事と、キャリア教育学習として、地元農業関連会社の経営者の方に来校して頂き、職業観や実社会についてお話しして頂いたという事だけでしたが、試行錯誤しながらではありますがボランティア活動を動き始めることができましたので、その成果と課題を二年目につなげていきたいと思いました。

(2)二年目の活動

  二年目は主にボランティア活動の実績を上げる事と、継続した活動として定着させる事を課題としました。しかしただ無理矢理活動を始めたり広げようとしても、ただ負担を増やすだけになってしまうので、学校と十分に相談しながら派手さよりも実利を重視することに心がけました。

(3)実際の活動

 @「地域消防団」

本年度より、避難訓練の日に合わせて地元消防団の方に来校して頂き、防災指導、消防団の役割、日頃の訓練の大切さ、などについて講演して頂きました。当日は雨天により急きょ避難場所が体育館に変更になってしまい予定していた「約30名による放水訓練」を披露できなかった事は残念でしたが、生徒たちが避難するときの様子を見守っていただいたり、具体的な防災のお話を聞けたことは有意義であったと思います。また消防団放水訓練なども恒例行事として今後続けていけば、その重要性と、体操選手を思わせるような機敏な動きにも魅了され、将来消防団に入団する時の動機が、より前向きになるのではないかと期待しています。また地域の身近な人のこうした活動が、地域と学校、住民と生徒をつなぎ、しいては地域を支える人材育成にも一役買う事を願っています。

 A「緑のボランティア」

臼田中学校は旧校舎老朽化に伴う全面建て替えで24年3月に竣工したばかりですが、植え込みの維持管理、細部の緑化はこれからという事なので、地元在住の造園業者の方(1名)にもボランティアに加わって頂く事にしました。
 26年5月、真新しい校舎周辺を巡回しながら、長期的な視点で緑化推進のご指導を頂く事が出来ました。PTA有志も数名が緑のボランティアに登録していますが全員が素人。また緑化担当の先生も、とてもプロの目でグランドデザインを描くというわけにはいきませんし、仮に長期的な視点があったとしても、継続的に一貫性をもって緑化を進めるには地元在住のプロのボランティアが、より大きな役割を果たしてくれると期待されます。
 また、毎年実施されているPTA作業の折にも、ご指導頂いた内容に沿って、素人集団を方向付けながら、効果的に作業を進める事ができました。

 B「学習支援ボランティア」

書道ボランティアとして、比田井天来派の書家の方に来校して頂き、丸一日、合計5クラスを対象に毛筆の指導をして頂きました。
 体育の時間には、市内の私立高校から著名な駅伝部監督をゲストティーチャーに迎え、陸上(長距離走)の基本を指導して頂きました。

C「行事支援ボランティア」

9月の文化祭の折、空中写真カメラマンの方に来校して頂き、グラウンドで生徒が作る人文字を撮影して頂きました。リモコンヘリコプターに撮影機材を搭載しての空中写真ですが、安全を確保しながら、カメラフレームを意識しての操縦は、相当高度なテクニックが要るようでした。

 D「土木工事ボランティア」

PTA作業の折、特別支援学級の前に実習用の畑を作りたいという構想があったものの、固い地盤の為、人力ではほとんど掘れませんでした。そこで重機で掘削してくれる土建業者のボランティアを探す事になり、ホリデーボランティアの人脈をたどって、地元土建業者の方に、3mx10mx深さ50cmの下地を掘って頂く事が出来ました。また2トンダンプ8杯分の残土処理もして頂き、地域の力を見せつけられた思いがしました。

 Eその他

このほかにも、「生け花による校内美化」、「部活動支援の健康相談」、「福祉体験学習」、「キャリア教育講演会」などを行いました。

 

4 研究の成果

上記のように、二年目からは散発的ではありますが生徒に直接関わるいくつかのボランティア活動が実現しました。理想論を言えば、保護者全員がボランティアに参加してくれる事を願っているものの、子育て中の保護者は基本的に職業を持つ現役世代であり、大半の保護者は平日の昼間恒常的にボランティアに参加するのは不可能ですので、保護者だけに囚われず、地域や、教育関係者や、様々な人脈をたどっていき、平日の昼間などでも生徒たちといっしょに活動してくれるボランティアを集める事も、決して不可能ではない事を証明する事ができたと思います。

また学校支援ボランティアは学校と保護者、地域との連携の場として、とても有意義な活動になったのではないかと考えます。

 

5 今後の課題

今後の課題で最も重要なのは継続性だと考えています。今年二年目に入りボランティアの種類もだいぶ増えましたが、個々のボランティアが今後も継続的に来てくれるとは限りません。かといってボランティアは強制募集するものでもなく、無理やり押し掛けるものでもありません。普段は目立った活動はしなくとも、何かニーズが出た時には、「様々な人脈を使って需要にこたえていく」というスタイルを維持しながら、派手さよりも継続性を重視した運営をしていきたいと考えています。

学校支援ボランティアを立ち上げた事が、生徒の成長にどのくらい貢献したかを、アンケート等によって点数化できないかといった構想が一時的にありましたが、2年間限定の特別委員会活動の範疇では、正確で十分な統計は出せないだろうとの思い込みから、数値を追う事はしていませんでした。しかし将来ボランティアの運営に余力が出来てきたら、成果を視覚化する試みとしてやってみるのも良いかもしれません。 


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